京アニの放火事件を消防法で考察

2019/08/18 ブログ

「京アニの放火事件を消防法で考察」

 

 みなさん、こんにちは!

 うた防災株式会社、消防設備士の高根沢です。今回は一か月ほど前に起きた事件、京アニ放火事件を消防法視点で考察していきたいと思います。

 

 大勢の方が亡くなられて悲惨な事件となってしまいました。ご冥福をお祈り申し上げます。このような事件を消防法令目線から予防することが消防署、消防庁の仕事でもあり、防災点検を委託される消防設備会社が知恵を絞っていかなければなりません。

 

 

事件発生後ネット等から聞こえてきた声

 

 今の時代こういった情報が入ってくるのはネット掲示板が多いと思います。もちろんテレビからも情報は発信されているのですが、『本当に気になる事』というのは案外ネットに書き込まれているものです。一部抜粋して解説していきたいと思います。

 

 

【目次】

 

①事務所内はどんな構造?

②スプリンクラーを設置していればよかったのでは?

③避難器具の設置義務

④その他の消防設備

⑤総括

 

 

事務所内はどんな構造?

 

 ネットの図面を参考に作成しました。階段はらせん式と通常の2種類あり、1階には玄関が2カ所あるようです。

 

面積約691㎡ 

設置設備 消火器、非常警報設備

 

 この規模の建物を見ると各階に消火器2本ずつ(厳密に測定すれば1本ずつでも良いかもしれない)非常警報設備(押すと音が鳴る設備)があれば問題は無いです。

 

 ネットから拾ってきた情報なのでどこまで正確かはわかりませんが、一旦は以上の情報から考察をしていきたいと思います。

 

 

スプリンクラーを設置していればよかったのでは?

 

 これが一番聞こえてくる声ではないでしょうか?しかしながら京アニの職場はスプリンクラー設置の義務はございません!

 では京アニ(事務所という用途)がスプリンクラー設置の対象になるためにはどういった条件が必要かというと・・・

11階以上の建物であること

 

 宿泊機能があるデイサービスや病院は面積に関わらず設置が必要ですし、商業施設は3000㎡以上で設置が義務と決められております。

 

 

 

 

避難器具の設置義務

 

 続いて避難器具の設置の義務はどうでしょうか。事務所という用途の場合は300人以上の収容人数で1台設置と法令上は定められております。

※2階3階に窓が無い建物の場合は収容人数100人以上で1台

 

 当日事務所に出勤されていたのは75名程度という記事はありました。いずれにしても300人を超えることはなさそうなので避難器具の設置は必要ないですね。窓が無い作り(無窓階)の場合、話は変わってきますがストリートビューで確認したところ、おそらく窓はあるでしょう。

 

 

その他の消防設備

 

 事務所の場合、他の設備は果たして設置義務があったのでしょうか?

 

自動火災報知器・・・1000㎡以上で設置義務発生

※熱感知器や煙感知器の事です。

 

消火栓ホース・・・建築材料により1000㎡もしくは3000㎡以上で設置義務発生

※いずれにせよ設置義務はありません。

 

 

総括

 

 今回の事件の死亡原因は焼死ではなく間違いなく煙による窒息死だと言われております。これは京アニに限らず9.11のテロ事件や新宿雑居ビルの火災においても同じです。火災で人の命を一番奪うのは煙です。

 何よりも今回はらせん式階段構造が仇となり、煙で速攻事務所内を充満してしまった事が消防観点上の最大の死亡原因と言われております。

 

 多くの人が亡くなられると消防法は改正を行います。今回は事故による火災ではないので法令が変わるかは怪しいところですが、法令改正が行われる可能性としたらこんなところです。

 

 

1.らせん式階段構造の建物の場合は防火扉、防火シャッターの設置義務(建築基準法)

 

2.自動火災報知器の設置基準変更 事務所1000㎡➡500㎡に変更(消防法)

 

 私個人的な意見からすると法令改正は無いと思います。理由は二つです。

・意図的な火災であったこと

・この規模の建物ではスプリンクラーや消火栓ホースの設置義務は現実的ではない。

 

  というわけで今回の事件の落としどころとしては『意図的な火災には消防法令では対応しきれない』『らせん式階段の建物に対して必要な措置の調査を行う』といったところでしょうか。

 

  それでは本日はこの辺で!まだまだ暑い夏は続きますので皆さんもご自愛ください!

 

 

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